【カイ(20代後半男性)の声】変わらぬ今を彩る経験(2022年4月) 

八おき塾に通うようになって早5ヶ月。光陰矢の如しとはよく言ったもので、ここに来てからの濃密さと過ぎた日々を思い返し、今までの自分の日常のなんと虚ろなのか!と、思ったものだ。
この5ヶ月、色々と得るものがあった。大雑把に言うならば『行動力』だろう。以前までの自分はかなりのものぐさであり(今も変わってはいないが)、やらなかったこと、面倒で避けていたもの、そういった事をやるようになったのだ。
さて、ここから幼少期まで遡り、己が半生を振り返ってみたいと思う。今の自分と昔の自分、あまり変わってはいないが、それでも少しの変化が”変わらぬ今”を改革させる一石となることを知ってもらえれば幸いである。

幼少の頃より集団行動が苦手であった。幼稚園の頃からそこに行きたくなくて、駄々をこね母を困らせていたのだ。小学校に上がっても変わらず、なんとなく嫌な気持ちがありながらも、友達がいるから通っていた。が、それも2年生の前学期までで、ふと通うのをやめてしまった。これといった要因はなかった。先生が嫌だった。通学路が嫌いだった。上級生が嫌いだった。姉が学校に行かなくなった。いろいろなことがありどれも腑に落ちるものがなく、なんとなしに通わなくなったのだ。
それからしばらくして、不登校の子供たちが集まる場所に連れて行かれた。当時のことはあまり覚えていないが、そこまで乗り気ではなかった気がする。しかし、そこで知り合った人たちが現在でも共に遊ぶ友人になるとは思いもしなかった。この得難い友人たちと出会えたのは、人生最大の幸運といえるのではないだろうか。 話ができる人がいる。それはとても大切なことだ。

禍福は糾える縄の如し、幸運ばかりが人生ではない。自分の半生を苦しませ、未だに苛み続けるアトピーになった。あの頃は今思い返しても地獄だったと断言できる。
体全身の痒みと痛みに苛まれ、顔は炎症で爛れ浸潤液が溢れ出し、眠りは浅く、痒みと痛みで目を覚ます。外に出れば風が痛くて堪らない。そうして自然と外に出なくなり引きこもりになっていったのだ。

鬱々としつつも、日々は続き中学校を卒業(一度も通ったことはない)し、いざ高校である。幸いにもその頃アトピーは小康状態あり、高校に通うことはできたが、元々集団行動が苦手な自分である。すぐに通う日数が減り、案の定ダブった。
なんとか卒業できて安心したのも束の間、今度はアトピーが再発したのだった。

ようやく再発したアトピーが落ち着いた頃から、考える余裕が生まれ、なんとかしないといけないなぁ。などとぼんやりと思い始めていた。それから数年間は動いたり動かなかったりの日々を過ごし、昨年10月末、母に仕事に就くために資格のことなどを相談していたら
「明日、こういうところに相談しに行くけど一緒に来る?」
と、八おき塾の事を教えられたのだ。
渡りに船とはこのことで、一人で考えても何も変わらぬ現状をどうにかできないかと思い、一緒に行くことにしたのである。
そこからはとんとん拍子に事が進み、我が事ながらハイペースだなぁと思いつつ(後に躓くが)順調に以前の自分から変わっていった。
初日、初めての作業に戸惑いつつこなしていき、いざ昼食の時間。
吾輩は無職である。名前はある。生まれてこの方、料理などしたことがなく見当がつかない。他の受講生の手際の良さに頭が下がるばかりであった。
そんな自分も今ではなんとなくで味を調整したり、それっぽい料理を作ったり、人とは成長するものだな、としみじみ思う。
小さなことでも達成していけば自信に繋がり”次へ”の気持ちが湧いてくる。いよいよアルバイトの面接だ。

一発合格やったー!とはならない当たり前である。しょうがない、次だ。と奮起し新たに面接を受け、また落ちる。そうして落ちること9つ、流石にへこたれてきて小休止。今までの自分から考えられないほどのペースで段階を上げてしまったからか、バテてしまった。このことで今の自分の限界を知るいい機会になった。

やることに意味がある。経験が糧になり、次の結果に結びつく。

このめんどくさがりで集団行動が苦手な性分は変わらない。変わることがないのだろう。それでも”嫌だけどやろう、やってみよう”と思えるようにはなった。最近はやりたい事や触れてみたい事も増えてきて、その挑戦のためにも働いて自分の手で稼ぎたい。
まだアルバイトに受かってはいないが、目標があり、先に進めば新たに道が拓けるのだとするなら、邁進するのみだ。

【上記若者の声を読んだカイのお母さまから】 

若者の声に、
ただ、ただ、母は感激です。
よく、頑張ってるね。
本当に色んなことがあったし、これからもあるだろうけど、「目標に向かって邁進する」のみだね。
八おき塾の皆さんに支えられ、こんなに前向きになれました。本当にありがとうございます。これからも、よろしくお願いいたします。

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