【ひつじのめる(20代後半男性)の声】新しい自分(2021年6月) 

今、私は前を向いて進もうとしています。これまで、こんな自分がいたことなどあったでしょうか。「福岡の就労支援」についてネットで調べることでこのプロジェクトを知り一年以上が経過して、受講生として活動しています。数か月前は考えられなかったでしょうし、不思議な感じがします。「出荷センター」でミスに気を付けて作業し、「昼食作り」では慣れないことの連続でありながら自分のできることをやろうとしています。こうした中で「思ったよりはできたな」や「前よりはできるようになったのではないか」、「まだまだだな」と感じながら様々なことに取り組んできました。そうして三か月が経ち、私にも「若者の声」を書く時が来ました。これを書いて、目標である「アルバイトに行くこと」に向かっていきたいと思います。

振り返ると大学を出てからの三年間は私の中で時計の針が止まっている期間でした。浪人し入った大学は私が目指していたものとは程遠く、理想と現実のギャップに苦しみました。しかし、当たり前の結果で、むしろ一歩踏み外せばもっと酷い結果もあり得たという自覚があり、私にとって屈辱的であり劣等感を抱くような現実でした。そして、常に「この程度のこともできない自分は人生が終わっている」との思いがありました。もちろん、サークルや部活に入ることや、アルバイトをする気にはなれませんでした。とにかく大学を卒業し、就職してからそれ以降のことを考えようと思いました。就職活動をしてもうまくいかず、母の勧めで公務員試験を受けたり、専門学校の試験を受けることにしたり、資格取得を目指したりしました。結局のところ、いずれも失敗に終わりました。机の棚に並び、机の周りに積まれてある予備校で使用したテキストや問題集を見て、悲しくなりました。ですが、次第にこれが自分の普通だと思うようになってしまいました。
このことを通して、このままではいけないという思いが「プロジェクトに参加する」となったのでした。

このプロジェクトの受講生となり、学んだこと、気付いたこと、直面した現実がたくさんありました。その中でも自分にとって大きなことが五つあります。
一つ目は「できるようになったことに目を向ける」ことです。私はできることよりもできないことに目が向きがちですが、できることに目が向くようになれば気持ちが前向きになれていいなと思います。「僕はちょっとできるようになっただけです」から「俺はこんなこともできるようになったんだぜ」となると物事に前向きに取り組めるようになり、できることがどんどん増えていくのだと思いました。
二つ目は「とにかくやってみる」ことです。例えば、包丁で物を切ることが数えるほどしかなかった私ですが、ちょっと野菜とは違うパイナップルを切る機会がありました。自分にとって難しいことでもやってみることで「ここが上手くできなかったから、次はこうしよう」と思えます。この経験が自分のやる仕事の質につながっていくことを知りました。
三つ目は「どんな時も楽しむ」ことです。それができたらいいですが、なかなか楽しめないものです。ですが、できることを楽しむ、そして苦しいことも楽しめると人生がよりよくなるものだと理解しました。
四つ目は「あの時の私は前に進もうとしていなかった」ことです。このプロジェクトでの活動を通じ、「あの時」は下や後ろ、時々右や左を向いて進もうとしていたのだと気付きました。前向きな気持ちであれば本当の意味で前に進めるものだと思います。
五つ目は「今のままではアルバイトに行くのは厳しい」ことです。私には色々と「問題点」がありましたが、その中でも「声が小さい・姿勢が悪い・仕事が遅い」の三点セットが大きな「問題点」でした。このプロジェクトの受講生となる前から「アルバイトに行く」ことは厳しいと思っていましたが、その厳しさは思っていたもの以上でした。ですが、その「現実」を受け入れることで「三つの問題点」を改善しつつあります。

この最初の三つを大事にして、あとの二つに気付くことで、「アルバイトに行く」という目標に近づけるのではないでしょうか。私は、このプロジェクトに通う中で、「新しい自分」になれたのは間違いありません。自分自身が前を向いて進むことを楽しみにしています!
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