【RK(20代後半女性)の声】3か月を振り返って(2020年11月)

私がここに来たのは6月下旬頃のことで、両親から紹介されて通うことになった。
大学を卒業して職場を転々としていた。長く働かないと、とにかく空白を作らないようにしなくっちゃ。そんな気持ちばかりで、職場で何かある度に「皆辛い思いをしながら働いている、私だけが特別なわけではない。」と繰り返し言い聞かせた。周囲からも似たようなことを何度も言われた。でも本当は「皆って誰だよ。」とひねくれた疑問が浮かんでいた。けれど全て無視した、見ないふりをした。頭痛、腹痛、不眠、自分自身の心を無視し続けて笑いたくもないのに笑顔で仕事に行く日が増えていく。
職場に行きたくなさ過ぎて、不安定になる瞬間も当然ながら増えていった。そして唐突にぷっつりと何かが切れた気がした。そこからは仕事を辞め、買い物以外はあまり外に出ない生活へと一直線。
私自身がおかしかった事に気が付いたのはその生活の中での事。緊張を和らげるために笑っていた事、他人からの期待や信頼がひどくプレッシャーに感じていた事、うまく手抜きができなくて心身ともに疲れっぱなしだった事、休み時間くらい一人になりたかった事、そもそも私は仕事というものが大嫌いだった事…それらを全部一気に思い出してよく死ななかったな、と他人事のように思ったのは記憶に良く残っている。

これからどうするかな、と考えてみたのだけれど何も浮かばない。何が好きで、何が嫌いで、何が私自身にとって心地よくて、悪くて…どこかに置いてきてしまったものを取り戻す作業が必要だと思った。
そこで取りあえず今私が一体何をしているか、どんな生活を送っているかを書き出してみた。掃除、料理、買い物等…、驚いた、仕事を辞めて以降何もしてないなぁ‥・と自分自身で勝手に思い込んでいたことの恐ろしさが身に染みる。こんな状態でよく頑張れたものだな、と妙に感心してしまった。
もう一つ、体調管理について色々実験してみることにした。何故お腹を壊しやすいかを考えて、冷たい物やカフェインをほとんど取らないように心掛けた。そして水分はゆっくり少しずつ飲む事、長時間座った時には軽くストレッチをする事、他にも色々試してみた。これらの対策で頭痛や腹痛はだいぶ減ったと思う。
心の変化も注視しながら日々を送ってみた。そうすると徐々に私が対処できる部分が沢山見えて来る。ここで一番気をつけたのは否定をしない、という事。自分だけは自分の味方でいられるようにする事だ。どんなにできなくても、否定はしない「そんなもんだ」と受け入れる。間違っても汚い言葉を自分に投げつけたりしない。そして他人が言った言葉を真に受けすぎず、気になった事は一定時間考えたのちに紙をぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱に捨てるイメージをする。これでだいぶ心の持ち方が良い方向に変わった気がする。
これがここに来てからの一番大きな進歩だ。

私には正直な所明確な目標はない。さっさとバイトなり趣味なり積極的に行動します!が模範解答なのかもしれないけど。相変わらず仕事の存在は嫌いだし、他人からの過度な期待や信頼はただのプレッシャーでしかない。過去に言われ続けた言葉は呪いのように突如として私の頭を支配してくるし、悩んでも悩み足りない部分は数えきれない程ある。場の空気を読みすぎてしまって損した気分になってイライラする自分も、調子が悪くても笑顔になって他人の顔色を伺う自分も相変わらず存在していて、たまに出てきては私に他人のために何かすべきだと吹き込んでくる。以前はそれが嫌でたまらなかった。出て来る度にどうしてちゃんとできないの!と自分自身に当たり散らした。その「ちゃんと」ですらも他人の価値観でしかなかったのだけれど。
しかし今では嫌な部分もそのままでいいと思う、と思えるようにはなってきた。どれも私の一部である事に変わりはない。周囲から皆、皆、と言われるたびに「皆って誰だよ。」と心の中で返していたひねくれた私だって私なのだ。今まで散々他人の言葉に振り回されに行って、正しいと思い込んでいた結果、自分が自分を信じてあげられなかった結果がそこにあるだけ。誰も何も悪くはない、むしろその事に今気がつけて良かった。このまま気がつかずに進んでいたら取り返しのつかない事になっていたかも知れない。
そう言う訳でこれから自分が心地よく生きていくために何をしていけば良いか、と思えるようになった事が一番の成長ではないかな、と思います…多分。
戻る 
Copyright © 2015 福岡わかもの就労支援プロジェクト All rights reserved.