【隼人(20代後半男性)の声】 3ヶ月経過して(2018年9月)

「本当にそれがやりたい仕事なの?」そう尋ねられた時、私は答えられませんでした。鳥巣さんの一言で、自分が本当に『やりたい仕事』ではなく、自分にも『できそうな仕事』を無意識に探していたことに気付かされたのです。
この時の疑問を自分に問い直し、デザイナーという答えを得た現在、私はアルバイトをしながらデザインの勉強をしています。

高校卒業後、周りに流されるように大学に進学した私は、夢や目標も無かったため周りについて行けず、結局退学してしまいました。それ以降、アルバイトをして毎月家に少しのお金を入れながら生活していました。そんな自分を変えようと、3ヶ月ほど住み込みでボランティアに行ったりもしましたが、帰ってくるとまた元の生活に逆戻りといった状態でした。

それでも現状のままでは駄目だと、昨年ハローワークに通い、あるウェブ関係の会社にトライアルという形で入社しました。しかし研修の段階で上手くいかず、トライアル期間で契約は終了。それからはほとんど家にいる生活を送っていました。焦れば焦るほど行動に移せなくなり、動けない自分が嫌で仕方なく、どんどんマイナス思考に陥っていきました。そんな時、見かねた父が「福岡わかもの就労支援プロジェクト」の相談会がある事を教えてくれました。説明会でお話を聞いた私は、自分一人で現状を変える事に限界を感じていたこともあり、就労支援を受ける事を決めました。

福岡わかもの就労支援プロジェクトに通い始めて数回目、プログラミングの会社の求人を見つけた私が鳥巣さんにそれを見せた時、冒頭の質問が投げかけられました。私はこれまで、職種をこだわれば条件が厳しくなるからと『未経験歓迎』『経歴不問』そんな言葉が並ぶ求人ばかりを探していました。つまり、無意識のうちに自分のやりたい事からそれていっていたのです。
その事に気付いた私は自分の本当にやりたい事を見つめ直し、そうして出した結論が『デザイナーになりたい』というものでした。そして、目標を持ったことでこれからやるべきことが明確になったのです。

今まで一人で抱え込み悩んでいた私が、通い始めて1ヶ月もしないうちにこれから進む方向が決まってしまったことに自分でも驚いています。さらに驚くべきは、考え方や気持ちの面でのアドバイスはあれど、そこに至るまでに鳥巣さんから「あれをしなさい」「これをしなさい」といった指示は一切無かったことです。
私はこれまで、父から散々「早く就職先を見つけなさい」「自立しなさい」と口を酸っぱくして言われ続けてきました。しかし、それが返って自分を卑屈にし、マイナスなことばかりを考えるようになってしまっていたのです。イメージするなら、腕を引っ張られるような感覚です。
それが福岡わかもの就労支援プロジェクトでは、自分の考えを話すことで自分の中で整理され、形になっていきました。そして、背中を押されるように自分の考えを行動に移すことができたのです。

私は、自分で可能性を狭めていた事に気付いたこと、そのおかげで明確な目標ができたこと、何より気持ちが前向きになったことで、少しずつ自信がついてきました。ただ闇雲に前へ進もうとするのではなく、明確な目標を見つけた今なら、必ずこの目標は達成できると信じています。
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