【次郎(20代前半男性)の声】 自分を発信する(2018年3月)

「褒められると嬉しい!」。数年ぶりに親以外の人に褒められてみて、私は自分のした行為によって他人が喜ぶ姿を見るのが好きな人間なのだと再認識しました。

先月の2月に真司さんの大学編入試験合格祝いを兼ねたもつ鍋パーティがあり、私がその幹事を務める事になりました。しかし、私自身これまでに家族以外で会食した回数が片手で数えるほどしかなく、ましてや幹事自体が初挑戦という事で、正直不安しかありませんでした。ですが、案ずるより産むがやすしとはよく言ったもので、当日は食材の買いだしから鍋の音頭に至るまで司令塔として自分でも上手く立ち回れたと思います。中でも自身初挑戦のもつ鍋の味は絶品で、参加した全員から美味しいと言っていただき、真司さんのご両親からは絶賛を受け、とても嬉しく感じました。また、もつ鍋の音頭以外でも幹事として今回の主役である真司さんを立てるべく行動しました。前回の忘年会での最大のやらかしである自分本位のお喋りを封印して聞き手に回ったり、以前の失敗経験を生かせたのも今回のパーティを成功させる事ができた要因の一つだと思います。また、後にあった家族会でもその時の私の立ち回りが評価されたようで、帰宅した母からその事を聞いた時は面と向かって褒められた以上の嬉しさがあり、大変だったけれどやって良かったです。

さて、最初の方に他人の喜ぶ姿を見るのが好きな人間だと再認識したと書きましたが、むしろ最近までの私はその逆で他人の不幸をあざ笑うのが好きなどうしようもない人間でした。そのようになったのはおそらく大学を中退して自室にひきこもり始めてからだったと思います。私は実家暮らしなのでが、ひきこもりの負い目から家族ともあまり話さず、インターネット掲示板やSNSが唯一のコミュニケーションツールになっていました。しかし、その使い方が問題で炎上した芸能人のアカウントに突撃したり、特定の人物を中傷する書き込みをするなど、いわゆる荒らし行為にばかり熱中していました。そんな他人の粗探しを数年ほど続ければ弊害が伴うもので、気が付くと他人はおろか自分の良い所探しすらできなくなっていました。実際に3ヶ月前の若者の声を書いた時はネガティブな単語を羅列して鳥巣さんに何度も書き直しをさせられたのをよく覚えています。今考えると、あの時行っていた匿名での誹謗中傷は、自己評価が低く発信できる自分がない事への劣等感からの行動でした。

私が今回の件で感じた事は、低い自己評価をなんとかするには自身の行いに対する赤の他人からの評価が必要だという事です。確かに他人を前に「自分を発信する」のは勇気がいる事です。忘年会ではやらかしがあり注意されましたが、もつ鍋ではそれを活かし良い幹事ができました。その結果もつ鍋は好評でした。今回の経験から相手の反応の良し悪しに関わらず得るものはあり、そういった経験の積み重ねが私を成長させてくれると信じています。
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